社燕秋鴻

 3月は楽しいことが多かった。春合宿や追いコン、そして大好きなバンドの対バンライブ。更にこれからもう一度、あるバンドの武道館公演を見るために東京に行く。


 この時期は別れの季節、とよく言われる。先に述べた追いコンなんかはそれを象徴するイベントだ。やってる最中はとんでもなく楽しいが、その時一緒にセッションしたりライブを見ていた卒業生はもう、ミーティングには来ない。熱狂と感動のあと、冷たくて湿ったような寂しい気持ちになる。


 だが一方で出会いの季節でもある、と思う。合宿では訪れたことのない地に行き、宿泊先のペンションでは今まで機会がなかったメンバーとセッションすることもできた。更に、20回目くらいではあるが、春との出会いも訪れた。酒を飲み、語らい、夜が明け、夢心地のまま、出会った土地を後にする。

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 そして動画サイトで出会ったバンドのライブを初めて見に行った。2度目であり初めての出会いだ。感動した。そしてその後はまた、夢のあとの気分に包まれた。


 出会いと別れというのは常に一組だ。何かに出会ったその瞬間から、別れへのカウントダウンが始まっている。ならばその別れの時まで、出会いに感謝し、精一杯楽しまないといけないのかな、と感じた。


 今日ふと見ると、文サ館横の桜が咲き始めていた。夢見がちだった3月がもうすぐ終わる。